誰かと一緒にいる幸せを
子どもたちに伝える
笑顔の保育者でありたい

鎮守の森に囲まれた幼稚園で子どもと自然を結び付ける

「保育者が笑顔でいることの大切さを学びました」
時には子どもに注意を促すことも必要なため、常に笑顔でいることはできない。それでも、勤務時間中にこれほど笑顔でいられる仕事は幸せだと、幼稚園教諭の槌野友理さんはいう。
勤務している幼稚園は、自然豊かな鎮守の森の中にある。植物や虫に興味を示す子もいれば、そうではない子もいる。虫嫌いだった子どもでも、保育者や友達との関わりによって、「触ってみたい」と言うようになるなど日々変化をしてゆく。
「保育者によって、子どもの自然への目の向け方は変わります。だからこそ、自然について学び、子どもたちと自然を結び付ける役割を担っていきたいと考えています」
卒業論文は、「幼児がビオトープに関わって遊ぶ意味 -環境教育の基盤としての意義-」。幼児期における自然体験・自然との触れ合いを通した遊びが、環境教育の基本になることを学んだ。槌野さん自身、自然に囲まれて育ち、樹木や雨のにおい、土の感触などが強く印象に残っているという。
「子どもの遊び」と「持続可能な社会を築く教育」という2つの領域にまたがるテーマであったが、大学ではそれぞれを専門とする先生からアドバイスをもらい、より知識を深めることができた。
「聖心女子大学は少人数制の大学のため、教授との距離も近く、興味や疑問があるときには、ドアを叩けばどの先生も受け入れてくださいます」
教授が学生を、一人ひとり丁寧に指導する姿を見て、自分自身も一人ひとりを大切にし、生徒の成長を喜ぶ先生になれたらと考えている。
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大学時代のギターアンサンブルクラブで仲間と一緒にいる幸せを学んだ

聖心女子大学ではギターアンサンブルクラブに入った。音楽が大好きだったので、すぐに弾きこなせると思った。実際には思い通りに弾くことは難しかったが、友達やコーチに支えられて、4年間ギターを続けた。うまく演奏できなくても、アンサンブルをする上で、自分を必要としてくれる仲間と、笑顔で音を重ねることが楽しかったからだ。
ゼミの先生から保育者は、「子どもたちが憧れる人間」であることや「心のよりどころ」であることを教わった。保育者として働くようになってから、その言葉の重みを実感し、心に留めている。
「保育者である自分と、そして友達と日々を過ごす中で、集団生活の楽しさや、誰かと一緒にいる幸せを、子どもたちが感じてくれるのではないか、と信じています」
保育には正解がない。子ども一人ひとりに、それぞれの課題や発達がある。休日でも、子どもたちが課題を克服し、成長するために、自分に何ができるかで頭がいっぱいになる。子どもに対して良い対応ができたかどうか、反省することや後悔することは多い。
それでも、すべてに一生懸命な子どもたちと、喜びや驚き、悲しさや悔しさ、達成感を分かち合う日々は刺激的で面白い。だからこそ、槌野さんは今日も笑顔で子どもたちと向き合っている。

槌野 友理
学校法人 亀之森住吉学園
亀之森幼稚園 教諭
教育学科 初等教育学専攻
2013年3月卒業

 
 

※ 2016年度版掲載。所属・肩書きを含む記事内容は、掲載当時のものです。